――回想・商店街――
[ 合ってればいい、と方向におおよその見当を付けると、来た道を戻って行く。地図は頭の中に入れた、はずだ。恐らく。ひとまず通りの名前は覚えたしと革靴をただ鳴らす。
見慣れない辺りの景色に、薄笑いを張り付けた表情をほんの少し、緩めながら。]
……?
[ 不意に視線を感じて振り返れば、見知った赤い頭巾の女性>>301が目に映る。彼女が郵便物を届ける合間に、何度か話をした事もあった。今日も配達途中だろうか、と並ぶ二輪へと視線を滑らせてから。――その前に立つ、細身の男性へと意識が向く。
ちらりと2人と視線が合うのに、彼女の知り合いだろうか、と。無遠慮な目を2つの影に交互に散らして、ぼんやりと首を傾けた。やや離れた向こうでは自身が知り合いか、と尋ねられている>>305 のは知る事もなく。
気付かれないほど小さく目礼だけして、改めて前へと振り返った。近道にでもなるかな、と適当に脇道に足を滑らせる。
――また迷いに迷って自宅へ戻り、改めて図書館へと出た先でも迷うことになるとは、時点考えもせず。*]
(342) 2014/10/02(Thu) 19時頃