― 花屋Lamo 回想 ―
彼女と話す差中、ぼんやりと僕は彼に聞かれた事を思い浮かべていました。
『 …君の今の心の色は碧なのですか?』
まるでずしりと乗し掛かる言葉に、狼狽え豆鉄砲を食らった鳩のように寸時動きは、表情は止まったことだろう。
ぶくぶく泡を浮かべるこころ。沈む僕のこころ。侵食する碧は今朝の夢を思い出させて酷く――酷く、居場所を失いそうに、……揺らいだように思える足場が恐ろしくて恐ろしくて、僕は大きく顔を瑜伽めたのだったか。
『…ずっと、ずっと、……おぼれていますよ。』
冗談交え、稚拙に返した言葉でさえ、気泡を吐いているようで苦しかった覚え。見えない気泡は天井にぶつかり、弾けたのだろうか。
追想を追うように、いまの僕は上を見上げましたが、そこには太陽に照らされ輝く水面はありませんでした。
――回想 了
(339) 2014/10/02(Thu) 18時半頃