い、痛…!
[動揺が言霊に現れたのか、言霊が動揺を誘ったのか、定かでは無いけれど、かたく掴まれた方>>320は肩骨を軋ませました。明らかに、人では無いその力。然し見た目は、彼は人なのに。学生はその違和感を歯痒く思いながら彼を落ち着かせようと、せめていつもの笑みを浮かべてみるのです。
「どうもしないよ」
「いつも通り、君と私のまま、変わりはないの」
「知ってる、君は優しい人間でしょう?」]
大丈夫、大丈夫。
ほうら、見てよ。
[学生は口端を上げ、肩に強く触れる彼の手に何とか自分のそれを重ねました。力が緩むことがあったのなら、彼の手を掬って自分の手と合わせることだってしたでしょう。学生は決して嫌がることはなく、ただ何処か客観的に、そして冷えた脳内で現実を分析するのです。学生より大きな手の平と、小さな学生の手の平を合わせ、同じ形に目元を緩めたのなら、]
(336) 2014/10/04(Sat) 16時頃