― 商店街 ―
[身を寄せてくる彼>>317には、普段の様に柔らかに微笑んでみせたでしょうか。その透明にも近しい髪色が、夕日に透けるのを目端に認め、くしゅんとひとつ嚔さえ落としてみせます。
立ち上がった間際に授けられた言葉には、どうしたの、何言ってるの、とくすくす楽しく笑いました。たまに彼は何処かヌけている節があるなあ、そんな感想を胸に抱きつつ。*]
…――ティソくん?
[そして狼狽えるその姿>>318、まるで見たことのないその狼狽には漸くしまったと思たのでした。瞳孔さえ見せるように大きく揺らぐ瞳は瞬きの仕方を忘れたかの様。舌は切り取られてしまったスズメの様に。パタン。疎らな街に響く位の音を立て、地面へ体を横たわらせた傘はきっと誰の視界にも入らなかったことでしょう。
学生は『言葉の紡げない獣』を認め、失態を懺悔しながら冷静な眼差しを彼に向けました――が、]
(335) 2014/10/04(Sat) 16時頃