だって、ほら…湿ってるのは、君のもの?
それとも、彼女のもの?
[細い足指は摘んでいた力を抜き、やわり、形を確かめるように何度もその箇所を撫で上げる。
まだ熱を持つ其処に薄く笑い、その足を彼の目の前に差し出せば、行為の後の熱の篭った匂いが僅かに移った事が彼の嗅覚にも知れるのは、きっとすぐ。
そのまま足を座ったままのNo,1のほうへと出すと、ピンと伸ばした足指の先まで舌で綺麗に清めようとするだろうけれど、ふと思い当たって手で制し]
No,1、彼のほうを綺麗にしてあげてくれる?
君の腕の限りで、ね。
[緋色の縄に黒いガウンといったいでたちの女に、声を掛ける。
墨色の髪の隙間、漆黒の眇めた瞳は陰鬱で愉しげで、
ほそい指先を彼へと向け、揺らして見せた。
きっと女は従順に彼の元へと向かい、その生傷癒えぬ口唇で奉仕を始める事だろう。]
(333) 2010/04/07(Wed) 17時頃