[ 続けて、上品な仕草で別れを告げた青年への返事を打ち込んだ。先ほどの切羽詰まったようなその背を思い返せば、僅かに表情を顰めて文を付け足す。続けて送信を押して画面を一度閉じた。そうして獣人、と口内で呟いて、その姿を探るようにふと辺りを見回す。暗く影を落とすだけのその景色では、ただ人々が日常を送るだけであれば。ふらつくような足取りで、ただ公園を出る。――それが知らず、商店街とは反対側へと向かうのに任せた。]
(331) 2014/10/04(Sat) 16時頃