― 和菓子屋軒下 ―
[学生の名前が彼の唇から紡がれた>>324のならば、こくりと頷いてみせたことでしょう。不思議に思い首を傾げている内に差し出された花籠。誰からのプレゼントかなんて――聞くまでも無く。]
チェシャ猫さん……
[真っ赤な服との情報も合間ってそれは確実に。直接お噺と共に届けに来てはくれなかったのね、学生は矢張りと憂いに息を曇らせます。軒下から曇天を見上げ、ぽつりぽつりと雨が滴るのを見れば、軈ては彼へとお礼の言葉を告げました。]
ねえ、あなた、運び屋さん?
…なら、これをティソ君って子に届けてくれないかな。
クリーム色の髪色と、とても色素の薄い瞳をしているの。
今は眼鏡もかけていたかな、
彼が雨に溺れない内に、届けて欲しいの。
[初めの言葉が肯定に頷かれれば、学生は彼へと傘を差し出した事でしょう。代金は幾らかな、そんな言葉も添えて。そして否定されたなら、残念そうに眉を下げ薄く微笑み、会釈と共に彼へと別れを告げるのです。*]
(330) 2014/10/06(Mon) 20時半頃