―― if ――
[最上の声が自分の名前を呼ぶ。
あぁ、今求められているのは自分なのだと、どこかで感じた]
………………っ!!
[瞼の奥のハレーション。息を呑んで、上り詰めて。
ふと、意識にゆっくりと色がついていけば目を開けた。
こんなに幸せなのに、まだ抱きしめられている体。
目の前に、近くに、最上がいる。口付けてもらえる。
荒い息の中、受け止めて、目を合わせて小さく笑った]
…………最上が望むなら、いくらでも。
でも、ごめん、最上。
俺、具体的にどうすればいいのかは、知らないよ。
[最上の表情を陶然と見上げる。
ああ、腹に残る残滓を片付けなくちゃとか、触りたいのに今のままじゃ汚れるなあとか、考えてるのになかなか動けない。ゆっくり呼吸を落ち着かせながら、今この時間が終わらなければいいのにと思った]
(324) khaldun 2011/05/28(Sat) 21時頃