―カフェテラス―
[車を降りる際に差し出した手に乗る、彼女の細い指先>>280。先とは違い取られたその指先を軽く握ったのなら、立ち上がる彼女を見ながら扉を閉める――その時に見えた僅かな躊躇いの様子には、やはり小さく笑いはしたけれど。
だが、その理由を聞くような事は、きっと男はしなかっただろう。
そうして男が差し出した右手腕に、掴まってくれたかは定かでは無いけれど。程なくして、カフェテラスが見えはしただろうか。
カフェテラスにはどうやら、見知った顔も居るようで。
そこに、怪訝そうな視線を向ける友人>>255を見つけたのなら、丁度良かった、とばかりに軽く眉を上げて応えては見せただろう。]
――さて。
ささやかだが、好きなものを頼んでくれ。
…しかし此処には初めて来たが、結構メニューが充実しているんだな。
[彼女を席に座らせ、男もまた席に着いたのなら、傍らにあるメニューを彼女の方へと開いて見せて。自分もまたメニューを覗けば、そんな感想をポツリ。
感心したようにメニューを見ていれば突如、彼女から出た言葉にふ、と視線を持ち上げる。]
(323) 2014/10/04(Sat) 15時頃