― 回想:公園 ―
[面倒見の良い人なのか、お人好しなのか。それとも、ただのセールスか。
相手の瞳に視線を向ける間(>>276)に差し出された名刺>>305を受け取り、まじまじとその文字を見下ろす。「電話」の声に、視線は番号へと向いた。
名刺に書かれた名は"亀吉"だっただろうか。もし、アドレスがついていたなら、後でメールを送ってみようかと思案しただろう。]
便利屋サン、って初めて聞いた。
[コートのポケットに名刺を落としながら、目を細める。また少し、近しい存在になったような気がする。錯覚だとしても、今のところは、そう。
呼びかけられれば>>306、目を瞬かせては、こてりと首を傾げ、言葉を待つ。次の言葉を今か、今かと待っている自分が、いた。]
……? ――…どうしたの アオギリ。
[分からぬままに、釣られるような形で微笑む。もう一つの名、とは一体。それを、自分に告げて、呼んでと言うのも。
だが、それを詮索するのは後でもいいだろう。ポケットに手を入れ、名刺の角を指でなぞる。
手を振られれば>>341、"こちらこそ"と軽く手を振り返す。
いつもよりいい日常かもしれない。そんな事を思いながら、公園を後にするのだった。*]
(322) 2014/10/04(Sat) 15時頃