―先週日曜日・赤羽根教会―>>290>>291
[2つ年下のまゆちゃんだけど、こういう時の落ち着いた感じは私よりも大人びて思える位。丸い瞳が瞬くのに小さく微笑んだ。]
そうだね、袖振り合うも他生の縁って。
……これだとお寺さんの言い方か。
[神様の与える運命を信じているという彼女へ合いの手を入れて、相談の言葉を続けた。]
んーと……夢に見て、っていうにも曖昧なんだけどね。
年度が替わった頃から何か、急き立てられるみたいな感覚がすることがあるの。
誰か何か、出逢うなくちゃいけない相手がいる、みたいな。それを見つけなきゃいけない、何か足りてないって。懐かしいのに苛立たしいような、大好きなはずなのに憎らしいような、矛盾した感情があるの。
[ここしばらく抱えていたモヤモヤは、それが原因だったんだ。
ただ、困るのは――]
それでね。最近気づいたんだけど、その感じって、満月が近くなってくると強くなるみたいなの。
なんていうか……その。
(322) 2016/06/15(Wed) 22時半頃