[端末に視線を注ぎ、指先を液晶に滑らせようと当てたその時、軽口めいた声が掛かり>>307ぴくりと肩が跳ね上がる。その弾みで傘についていた水滴がポタポタと滑り落ち、跳ね返っては足元を濡らす。まさか端末の内容を覗かれた―――。じわり、身体を濡らす雨粒が滲むように、瞳に不安が滲みかけたが。] あ……。 か、傘ですか?[予想とは違う言葉に、鳩が豆鉄砲をくらったように目を丸く見開いて。それでも今の自分にとっては願ってもないその申し出には素直に応じて。]
(316) 2014/10/06(Mon) 19時頃