[――だが。その最中、軽く投げられてしまった”今度”の新たな問題>>292に。逆に掴まれる事となった手首に。本能混じりに頬を引き攣らせ、目を瞬かせた。]
――…え、間に合 っ…――、 こん、ど?
[じり、と蹄が身動ぎ、鳶色が僅かに見開く。
一瞬、絵具を広げたように色付いた解を、消える前にと思考が慌てて追いかけた。答えを掴もうと、口を僅かに数度ほど開閉させて、――控えめな声が、文字に乗る。]
……、 今度、――また、…会える?
[ふ、と顔を持ち上げ、暗灰色を見据える。鼻の奥にまた熱が溜まりそうになりつつも、少しでも見なければ覚れない、鈍い自分を急き立てた。
それは、気のせいでも、妄想でもないと、いい。
緩々と息を零し――気の早い唇を口内へと巻き込み、真っ直ぐ結び直し。無意識に落ちそうになる瞬を、惜しんだ。]
(315) 2014/10/09(Thu) 00時頃