― 回想午前:本屋前 ―
[短く返された声>>291に、跳ねるように喉が小さな音を鳴らす。
一段と響く心音に言葉は散り、胸が騒めき、神経ばかりが尖って行った。
自然と、漠然と視界は固さを帯びる相手の腕を映す。その意味を深く考えるよりも先に、鋭さを伴って胸を刺した。
逃れるように、袖を目元へと寄せては拭い(>>255)、暗中に手を伸ばすような恰好のままに、言葉を続けた。(>>256)]
……どうしたら、いい? …――何、するの。皆。
[落ちかけた手>>291に逡巡しつつ、投げかけられた問い>>292に鈍い動作で首を横に振る。相手がその口端を震わせる理由にもまた、同じ物を抱きながら。
日頃避けていた"不登校者"の意識が零れた事には、気づかない。
――そして。染み付いた距離外の事柄に。一間、赤い瞳を強張らせ、喉奥にて音も無く息を唸らせた。
遥か過去の自分なら、持ち合わせていたかもしれない解を追いかけたい、と。せめて、と。錆びていた思考を回す。]
(314) 2014/10/09(Thu) 00時頃