-黒猫の店-
…………おう、届けたぞ。
待たせたな。
[黒曜石と別れて暫くして、何度か紫煙を燻らせながら漸く帰路につく。相変わらず、「おかえり」とは言わずに。別の言葉を添えて、その扉を開ける。珍しく店内には音楽が掛かっていなかった。
朝に家を出たはずなのに、もう夕刻。空は早くも一番星が瞬き始めている。ただのお使い、というかパシリなのに時間が掛かり過ぎるのはいつもの事。黒猫はそんな自分を見て呆れかえるだろうか。]
ああ、そうそう。
マフラー、助かった。痒かったケド。
そして人に貸したわ。
いつか返してくれるだろ。
で、なに、なんか作ってんの?
[店内は旬の野菜とコンソメの良い香りがしたか。その鍋の傍に立つ黒猫にゆるり、話しかける。>>290 まさか店の近所で凄惨な出来事が起こっているなんて、まだ知りもせずに。]
(312) 2014/12/07(Sun) 22時半頃