[とはいえ感じたのはほんの僅かな残滓。
本当にそうなのかは定かではない。]
つっても戻ったところで面倒だ。
手っ取り早い方法はねえもんかね。
[立ち上がって、遊具から飛び降りた。
そこへまたポケットが振動して通信要求が来ていることに気付く。
端末を見て、それが待っていた人物である事を確認して通信を繋ぐ。]
どうだ、時間は稼げているか?
そうか、それならよかった。《雫》と、あのガキ…
もうしばらくは離して置いたほうがいいか。
[《イデア》が求む世界を創るために《ドック》ではあらゆる研究が行われている。
《ドック》が発言権を増し、幹部や深層での関係が悪化している今でも、表面上での関係は変わらない。
その《ドック》が、《イデア》に内密で研究をしているのが通称《雫》と呼ばれるもの。
欠落だらけの世界を埋めるための、多元要素の集合体。
その完成のために、必要なカギ―が、今の己のターゲット。]
(311) 2010/09/14(Tue) 23時半頃