[最後に付け加えた軽口は、どう捉えられたかはわからないけれど。しかし何方にせよ、男にはさして関心の無い事。]
――……それにしても。
その"挿絵の化物≪ジャバウォック≫"が、"君の選んだ能力"か?
実にいいセンスをしている。あぁ、本当に。
……それで?
君はその"挿絵の化物≪ジャバウォック≫"で、私を喰らいにでも来たのかな。
[あの鐘の音が鳴った時の山羊の言葉>>1:219を思い返し。自分がそうだったように、恐らく彼の"挿絵の化物≪ジャバウォック≫"も"そう"なのだろう、と。
警戒を、全くしていないとは言わない。
彼は"卵≪ハンプティ・ダンプティ≫"、"鏡の国"の登場人物。彼があの山羊の言葉を受けて、今ここで襲い掛かって来ないとも限らない。
しかし、それでも。
向ける眼差しに警戒よりも好奇の色が強まってしまうのは、顔に自然と笑みが浮かんでしまうのは――これもまた、男の悪い癖だ。]
(304) 2015/06/24(Wed) 03時頃