[♪ ピアノのみのバラード]
♪
死を与えるために育てられ 生を奪うために求められ
ありふれた日常を生きるには あまりに汚れすぎた
すべてを洗い流すには 冷たい雨では足りない
生まれながらの定めの禊ぎには 血か涙が必要だった ♪
[花見のお弁当に向けて料理の特訓をするソフィア。
味見をすると、少し焦げた味がしたけれどおいしかった。
瓶が空かないと言うので手伝ってやる。
いつもはチアキの役目なのだろうと思うと、
あいつのことを羨ましく思った]
語り:チアキの退院日が決まり、その日に花見をすることになった。もう葉が混じった桜でも構わなかった。あるいはこれからの新しい人生を思わせ、決して悪くなかった。しかしその退院日は、俺が"院長"に話をつける、ちょうど翌日だった。「悪い、もしかしたらちょっと遅刻するかもしんねー」とソフィアちゃんに言うと、何も知らないソフィアちゃんは、「大丈夫だよ」といつも通りに笑った。
(301) 37m0 2018/04/08(Sun) 07時頃