絶望の未来しか齎さない恩恵なら、あるだけ害だ。死んじまえ。
てめーは随分とそのガキに心酔してるようだがな。
[口を開けた無《/dev/null》は地面ごと彼女の影を呑み込んだだけで、彼女と赤子を捕えることはできなかった。
先程まで彼女が立っていた場所は、半径5メートルほどの、何処までも底が見えない深い深い穴となった]
――っと。
[底なし沼が口を開けると同時、上に飛んで銀刃《ナイフ》で宙を裂く。
その中に飛び込んで、少し離れた別の地面に着地した]
やっぱゴミ箱《/dev/null》だけじゃ仕留められねーか。
てめーらにはお似合いの場所だと思ったんだけどな。
[チャキ、と銃の撃鉄を上げる]
戦闘補助プログラム《ナユ》、目標追尾《プロセス・トレース》。
[放たれた二発の弾丸は、その軌道を自由自在に変え、目標《ドナルド》《カリュクス》を追跡する]
(301) 2010/09/16(Thu) 20時半頃