なぁに、余が振り向けば、そこが前方である。許されざるは、前を見据えたままに引き下がる事だ。足を引く事だ。民に背中を押し付ける事だ
[ 前を向き、国を牽引し。時には振り返り、国を抱擁する。右に進み、左に進み、国を導いてこそ王。
だが、決して、王は王にとっての後ろへは引かない。何故なら、そこには国があるからだ。王の背を以って国を押し潰すなど、それこそが王の死に他ならない。
さて、残りも早急に畳んでしまおうか。と王が獰猛な笑みを見せたところで、>>296相方からの要望が王の耳へと届く。
どうにも、ヤスヒロはまだ奏で足りない様子であった。
同時に、白狼が唸る。正面突破は不可能と判断したのか、両脇に噛み付かんと剥かれた牙が王へと迫りーー、]
良い、余が許そう。汝の調を奏でてみせろ
[ 新たな音が、この世界を圧巻する。]
(301) 2015/03/05(Thu) 23時頃