……私は構わないが。
心地悪くさせてしまったのならすまないね。
[そうして彼の"願い">>294を聞いたなら、あっさりと敬語を取ってみせる。
余所行きの言葉は大層やり易いものではあるのだけれど、話す相手の気分を害してまでやるものでもない。
少しだけ肩の力を抜いたのなら、男は軽く辺りを見回しながら再び口を開く。]
まさかこんな大通りで舞台の上の人に会えるとは。
朝の散歩も、中々悪くは無いもんだ。
[今日はどうやら、とことんまで"何時もと違った"日らしい。
詰めていた仕事はお休み、毎日聞こえていたバイクの音の主との会話、そして見知った舞台俳優との出会い。
何も無い真っ白の一日へと落とされていく色とりどりのインクが、嗚呼これはどうにも心地良いもので。]
…しかし、"オジサマ"か…参ったな。
私はそんなに老けて見えるか?
[しかし、どうにも先の一言は男の頭に引っかかりを残してはいたようだ。
僅かに悩んだ後に、軽く両手を上げてそう呟いてみれば、果たして彼はどうしただろう。]
(300) 2014/10/02(Thu) 15時半頃