―食堂手前―
[こうして辿り着いた頃には、すっかり平常心を取り戻した――ではなく、空腹に支配されたマークの姿があった。
どこからともなくパンが焼ける匂いまでしてきたようで、今がもう何時なのかはともかく、お腹が空いて仕方が無かった。
調理室を利用すればランチメニューは自在だったが、生憎、何人かの先輩たちのような料理の技量は持ち合わせていなかった。だから大人しく手持ちのコインで二人分の食べ物を賄おうと思ったところで]
うん。
[開いた扉越しに見えた堂内には先客がいた。
真っ先に意識したのは、右腕に包帯を巻いた姿の生徒>>217。
けれどマークの視線が留まったのは、もうひとり――ピスティオ>>284>>285のほう。
マークは、食堂の中に踏み込むことなく、廊下からふたりの様子を伺って見ていた。]
(298) 2018/05/16(Wed) 18時頃