[見回りの途中。ローズとのことを尋ねる異母兄の視線に、ゆるやかに視線を落とし向ける。>>220昔、ただの好奇で近寄った幼い頃は、こちらを見下ろす人相に怯みもしたものだ。あれはいつの事だったか。全てが"そう"と腑に落ちた時、入り混じる想いは少年の顔をひどく歪ませた。はじめは逃げ出し。次に釣竿を無言で突き出し。根競べのよう異母兄のやぶ睨みをじぃと見詰め返す日々が続きもした。それは、もう、ずいぶんと昔のことのようで――] 現実的な話は、まだ――だが、[想いだけはと。口にせぬ言葉も、異母兄へは伝わるのだろう]
(295) 2012/06/15(Fri) 22時頃