−商店街−
[本屋を出たところで携帯が震え、確認すれば友人がパン屋の前で待つとのこと。
誘ったのは自分だけれど、無様に動揺してしまった上に、立ち直るために教授を利用してしまったことが少しだけ尾を引いてしまって。なんだか今あったら情けない顔を見せてしまいそうだと思案。
友達なのだから、そんな強がりは通用しないのかもしれないけれど、商店街の中で、一軒だけ酔ってから行けば気分も少しは上向くだろうと、適当に歩を進めていけば、小ぢんまりとした花屋。見事に咲き誇る花達に、教授の言葉を思い出す]
……ねえ、孔雀草は、あるかしら
[例えば、今は捨ててしまった少女心をくすぐるような、年上の教授のあの言葉を参考に、花でも髪に挿してみようかと。
そんな柄じゃないどころか、綺麗に整えられた花を無駄に枯れさせてしまうような行為なのかもしれないけれど]
(291) 2014/10/02(Thu) 13時半頃