―イグファ 回想―>>281私の方も、たいしたことではないのだ。特に、あの方にとっては。私ばかりが腹を立てているのがわかるから、余計に悔しいだけなのだ。流れ者…ということは、最近来たのだな。旅人ならば早いうちに発った方がいいだろう。ここはもうすぐ戦場になる。国や文化宗教…そういった概念は人を守りもするが、反対にそれを守ろうとするが故に戦いを引き起こしもするのだろうな。哀しいことだが、私もそれに囚われている。[グラスの中の液体を、少しずつ味わうように飲む。]私はグロリア。貴公の名はなんというのだ?[返事は聞こえただろうか。グラスが指から滑り落ち、...は昏倒するように意識を失った。]
(289) 2011/11/15(Tue) 23時半頃