―酒屋―
[散らかっているわけでもない店内やセラーの掃除を終えた。
もともと暇つぶしにやっている事で、終わってしまえば暇ができる。
店先の椅子にでも座って居ようかと思っていたところ、客…と言うより闖入者がやってきた。
笑いを含んだ声で迎える]
ご機嫌ななめじゃあないか、アイリス。
どうした、またあのランタン野郎と喧嘩でもしたか?
[愉快そうに笑う。こんな娘が一人や二人居ても良いと思うし…可愛い物ではないか。
酒を見繕いながら、背中越しに声をかける。]
失礼な事を言うな。 不味い酒なんぞ置いてない。
もう少し上品に頼むんなら、ロハでもよかったんだがな。
出来の悪い奴をやろう。 悪酔いしてしまえ。
[意地悪く笑って角の丸まった低く四角いボトルを棚から取り出した。]
(289) 2010/07/02(Fri) 12時頃