──ヤニク。[浅黒い肌をした、異国の青年の名前を呼ぶ。ピッパとの遣り取り、そうして向けられる笑みを見返す。>>267]俺が信じられるのは、「サイラスが今嘘をつかなかったこと」だ。……だが。[一瞬の、思案するような間。瞬間、憂うような色が走る。妹を追い詰める。…その言葉の意味するところは。]無駄に疑惑を広めて歩くよりは、信じられるさ。…忠告、受けておく。[小声の囁きに、笑みを見せずにそう返した。肩を叩いて歩み去ろうとする青年を、引きとめようとはしない。]
(288) 2010/02/22(Mon) 16時半頃