しのぶれど 色に出にけり 我が恋は
物や思ふと 人のとふまで……か。
[耀の想いが恋とは、鈍い蛍紫は思っていない。
男同士で恋愛というものがあるとは知っているが、幼馴染同士が……とは結びつけることは、今のところなく。
唯、薔薇煉獄という舞台故に、その唄が零れ出た。
どちらかといえば、あの女の霊を想って。]
あ、しまったな……。
鳴瀬先生、風呂に入らずそのままってことはないだろうか。
[百人一首を紡いだところで、顧問のことを思い出す。
あの人の事だから、生徒の前に入れない!とか言いそうだから、一緒にと云ってしまったけれど。
あれから時間が経っていれば、その約束が逆効果になっていそうだと思う。]
……部屋、あけて出て行っていいものだろうか。
[暇を告げようとしたところで、部屋の主が居ないことに気が付き、少しの間逡巡するのだった*]
(286) 2011/05/18(Wed) 23時頃