――手紙を送ることができたのなら。
君のことも紹介するよ。
君さえ良いのなら、また会えた時にその子に君の連絡先を伝えるよ。
[鳥目が何を思って唇を少し緩めたのかは分からない>>232
だから気休めのような、ぼんやりとした本心を言葉に乗せる。
そしてしっとりとした淡淡とした頭を、水滴を落とすように撫でた後]
空色、か。冬の空ならきっと、翼を灼かれてしまうこともないだろうし、ね。
[籠に新たに空色のタオル>>238も入れていく。そして会計を済ませば少女に手渡した。
去り際、挨拶をする少女に男も軽く腕を持ち上げ、ひらりと掌を左右に揺らす。]
それでも、君が必要だといった空が、寂しくないものだといいと、僕は思うよ。
[何処かへ羽ばたこうとする小鳥を男は追うこともせず、見送っただろう。
呟いた言葉が、小鳥に届いたのかどうかは知らぬところではあったけれど、それ以上は何も告げずに男は約束を果たすために花屋へと向かったのだった。*]**
(286) 2014/10/06(Mon) 12時半頃