[あたしはバイトで忙しいし、ユンカーにだって部活がある。好きなことの邪魔はしたくないから普段は今までとあまり変わらない距離感で過ごそうとしているけれど、たまにはわがままを言いたくなるのは許してほしい。
バイトが終わった後、スマホを手にしてメッセージを送る。]
『デート1回、焼きそばパンとフルーツサンドで
手を打たない?』
[…もっと可愛くデートがしたいと伝えればいいものを。
ふっ、と自嘲しながらお疲れさまでしたーと店を出る。
――純白のドレスを着て隣に立ちたいとか気が早すぎてまだ全然思わないけど、あたしが選んで、あたしを選んでくれた人だから、この幸せがずっと続けばいいなと思う。
いつか言われた言葉には、今ならそう返すことが出来るだろう。
取り巻いていた噂は唯一の存在によりいつしか季節と共に
移ろい、薄れ、
消え去るのもそう遠くはないかもしれない**]
(284) zyawa 2020/05/31(Sun) 00時頃