-回想・スカイラウンジ-
[冷たく、酸味の強い中にも甘さのあるそのカクテルは、飲めば少し心を落ち着かせてくれた。
山の方へと向かっていった彼が見えなくなった後も、窓の外を眺めていれば]
あれ…ゲイルさん…?
[誰もいないと思っていたので、背後から話しかけられてとても驚き、思わず大きな声になってしまった。一応周りを見渡せば、彼女以外は他の人はいなかったので、安心する。
ふと彼女の服装を見れば、紺地に…あれは撫子だろうか…綺麗な花柄の浴衣で。彼女の美しさや大人の魅力(と彼女が思っている何か)を一層引き立てているようだった]
浴衣、綺麗ですね。…すごく、お似合いですよ。
…ゲイルさん…やっぱり大人っぽくて素敵だなあ…
[後半は殆ど独り言のようなものだっただろう。大人の女性であるゲイルは、子供っぽい扱いをされることの多い彼女にとっては一種あこがれのようなものだった。]
(284) 2011/06/30(Thu) 13時頃