─ ラルフの部屋 ─
[寝台の位置以外ほとんど構造が同じ寮部屋。
上段が空いている事を再度説明しながら、不在のラルフの同室者──遠方に家が有る田舎っぽい地味な少年は、眠りが深くて、灯りがついていても起きなかった事を話す。]
──……
俺が眠ったディーンを起こしてしまわないか
それが心配なんだ。
勿論、眠る努力はしてみるけれど。
[ディーンの洗濯物を部屋前から回収してくる役を引き受けたのは、ラルフ。部屋には人の気配がしたけれど、サイラスと話す理由はなくすぐに離れた。ラルフはユーリィがどうなっていたかは知らない。
部屋に戻って、洗濯物に移った青薔薇の残滓が仄かに香っている事に違和感をおぼえる。違和感と言うより、不可解な身体のざわめきと言うのだろうか。薄い媚薬の効果は、日があるうちはまだそれほど出ていないのかもしれない。]
食堂か何処かで会ったら、
ルーカスに薔薇園にユーリィが居たか聞かなきゃ**。
(281) 2010/09/05(Sun) 03時半頃