─回想、夏休み:天地家─[何年ぶりだかに熱なんて出したおかげで、両親のいない家で、エニシには随分手間をかけさせてしまった。 分担の掃除洗濯だけはやりおおせようと起き上がっても、途中でずるずるとベッドに背中が倒れこむ。ドアが開いた。 ただ、幸いにも水分をもって部屋に来てくれたエニシに向けて、にこっと笑うだけの元気はまだ残っていた。] あ。 んん、 ……ちょっと 待ってね[身体に力が入らない。ベッドの脇に背中を預けて休憩をはさむ。零す息が熱いのは自覚ができた。 困って少し笑った。]
(281) 2018/09/08(Sat) 13時半頃