……お客様?[狐は僅かに声を揺らがせた。降り立った生物は、ありったけの草をカウンターに乗せていた。摘み取ったばかりなのか、土が慈育した香りが、未だ濃く残っている。その中に、求めていた新鮮なミントンを見つけて、狐は問いかけた。]探してきてくださったのですか?[そういえば、ミントンを前に考え込んだ時視線──瞳の見えない相手にこの表現が正しいかはさておき──を感じた気がする。]
(280) 2022/08/08(Mon) 23時頃