おぉ、ユリ先生。手厳しいですね。
[>>252 歪める口端を見やり、肩を竦めた。何処か達観したようにも見える黒曜石。
僅かに見ない間に一体何が起こったのだろうか。
否、それは少しずつ。水がゆっくりと石を研磨するかのように、黒曜石を削っていったのだろうか。
はじめて自分を見てくれたという彼女。では自分は今まで、彼女たちの何を、見ていたというのだろうか。此方を見つめていそうで、どこか遠くを見つめるその表情は、数年前の自分にも重なる。]
手紙、ね。………そうかもな。
所詮、IFの世界だけれどな。
[自分の家の住所。つまりそれを送れば黒猫には便りが届いたと云うコトか。
少しでも自分にそういう気持ちがあれば―――……残された人の気持ちに何か、今とは別の物を残す事が出来たのだろうか。
掴まれた肩。息が掛かりそうな距離に詰められる。近付けば林檎の薫りが仄かにしただろうか。大きな瞳に自分の姿が映る。輪郭は随分と痩せていた。]
[そして唇に掛けられる、優しい呪い。]
(274) 2014/12/07(Sun) 21時頃