―少し前・商店街―
[唐突な質問>>181に男よりも華奢な肩>>258が揺れる様を見る。
獣としても中途半端な自分が、ただの直感で尋ねた、なんてその理由も男には説明も不可能であり、問われたところで何も言えやしない。
頭に花畑が咲いている男、として通報でもされたら…なんて馬鹿げた考えが頭に一瞬過るものの、振り返りこちらを見つめる少女が、昨日本屋にてオススメの本について話しながら共に帰路についた少女だったと気付く。]
――獣だったら?
[問いかけを鸚鵡のように口にする。
男の答えは元より決まってはいた。
それは彼女が続けて男に向けた言葉>>259と風によりはためいたケープから覗いた人あらざるその翼により、強いものへと変わり]
僕はヤニク。獣なのに獣の声も聞けない…、中途半端な――未完成の獣だよ。
[本の頁が捲られる時のように、緩やかに男は時を遡らせる。]
(271) 2014/10/04(Sat) 12時頃