人狼議事

194 花籠遊里


【人】 看板娘 櫻子

 ───それでも買ってなど、くださらないくせに。

[この『蝶』は、今宵も別の花を買うのでしょう。
 一夜の戯れをどの花とされるのか。
 妬きなどしません、そんな風に育てられた『花』なのですから。
 判っております。
 彼の求める『花』の中に、きっと僕が居ないことなど。
 額に舞い降りた蝶はまた、気ままに別へと移ろうのでしょう。
 僕は甘やかに囁いて、ふっと笑んで返しました。

 彼の覗く眸を、射干玉の眸が見詰めます。

 そして殊更甘く、甘く微笑んだなら。
 距離を詰め、背を懸命に伸ばし。
 唇に唇を、ただの一瞬触れ合わせたのでございます。]

 …幻だからこそ、甘いのですよ。

[刹那と離れた唇は、そんな言の葉を紡ぎました。]

(267) 2014/09/14(Sun) 02時半頃

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