[話しながら、こんな先生が居ただろうか、首を傾げて。
けれど、何処か、見たような――。
不思議に思っていると彼は、説教を始めたか。やれこんな時間に学校にとか、早く帰りなさいとか。]
ま、待って、待って、せんせー。
お説教はまた今度、俺妹探してんだってば!
[告げると、彼はある一軒の花屋を教えてくれた。
きっと彼女はそこに居る、と彼は言う。
何故知っているのか、とか。
どうしてそれを彼が、とか。
そんな疑問より先に。]
へ、それって確かあの悪党面の花屋?
ま、まさか、レティーシャあいつに目をつけられて?
あの野郎レティーシャを手篭めにしようってんじゃ……!!
[それは誤解ですよ、と言う冷静な教師の声も届かない内に、坂を駆け下りていった。
日も昇り、汗だくになって花屋に辿り着いた頃には大分頭も冷えていた。]
(265) mikoto 2010/03/12(Fri) 23時頃