[そしてメルヤのバナナ推し>>214を聞きながら、何となく皆がしているように空を眺めた。 ──どこかでヒバリが鳴いている。 ちるちるちる、と高い空の上で。 あれは猛禽の目をかいくぐって歌われる恋のうただ。 この場所に集う彼らも、きっとそれぞれの病がなければあの小鳥のように、どこか外の世界でそれぞれの恋をして、誰かと愛をはぐくんで、それぞれの暮らしのなかで穏やかに枯れていっただろうに。 ──酷い話だ。 ひとは、自分の理解できないものが、自分達の力の及ばない不可能が、目の前にあることを恐れる。 だから、私のように伝染性の病気でもないのに、こうやってここに押し込められているのだと、そう思う──]
(265) 2015/06/10(Wed) 23時半頃