―回想・眼鏡屋―
[自分が言葉を発する度に身震いをする青年>>248はいよいよ具合が悪そうだ。
…は、青年が少し具合が悪そうな理由を自分の運転が荒いせい>>1:300だと思い込んでいたものだから、凛と胸を張って「慣れなければいけない」と言う相手には、ただただ首を傾げるだけであった。友達に運転が雑な人でもいるのかしら。大変ね、と。
しかし一転してカラリと笑顔に変わった表情を見れば、…もまた安堵の笑みを浮かべる。
その後に、先の笑顔と相反して小さく小さく囁かれた「何になればいいか」>>249という問いに対しては、少し眉尻を下げた。]
何物にもなろうとしなくていいよ。
……何かになりたいと思ってくれるなら、何にでもなれるんじゃないかしら。困った時にはよろしくお願いする。
[言うだけ言って、…はバイクを走らせる。果たされるか定かではない約束をして。
ふと振り返ると眼鏡屋に入る青年の脚だけが微に見えた。*]
(265) 2014/10/06(Mon) 10時半頃