―住宅街→カリュクス宅―
……へえ。掲示板、ね。
あの人、そんなのやる風には見えなかったけど。
[軽く目を伏せ、瞼の裏に"蜘蛛"の姿を思い描き。瞳に移された視線>>260に気付けば、穏やかに笑んでみせる。
けれど続く相手の言葉には、一瞬目を見開くくらいはしただろう]
――本当に、出て行ったのね。
[アタシを、置いて。
掠れた声は風に掻き消される。揺らいだ瞳は、ついと視線を移し、コートのポケットに収まる紙片へ向けられた。
そうして彼女がついたと言ったのなら、その家を見上げ。誰も居ないというその言葉に、微かに眉を持ち上げる]
……一人で住んでるの?
[――ふとした疑問は、思わず口から零れていた。詮索するつもりは、ないのだけれど。
僅かに気不味い思いをしながら、招かれるまま屋内に入る。そこから先は、彼女の後について行くだろう。
とはいえ、一人暮らしだというのなら。やっぱり男を連れ込むのは不味いのではないかと思うのは、ジャニスだけなのだろうか。――この少女は、何に"安心"しろというのだろう]
(262) 2014/10/08(Wed) 19時頃