捧げられたものだろうと、
気に入らないものは口にしたくないな。
一時期、話にあった“献血”?
あれも、包装紙に生産者の写真がついているならまだいいけど。
そういうものじゃないんだろう?
できれば会話のレコードもつけてほしいくらいだ。
どんな人間か知ったうえで口にしたい。
――――そこまで用意があるなら、
君の好み近しい血液も、“献血”で飲めるかも。
[手入れを褒める言葉を穏やかに受け入れた仕草として、眦を柔らかく下げ、軽口めいた注文事項を知りもしない“献血”へ続けていく。手ずから仕上げるのでなければ、それくらいは楽しみたい、と長生の我儘。
使い魔として従えるならともかく、「飼う」などとは面倒が勝る。そのせいか、いまのところ愛玩している同種との邂逅もなく。もしマユミが、気に入りを飼いはじめでもしたら、お茶会の席の話題も面白いものになるだろうに。
同じグラスから回し飲み――については壁際で眺める立場をとりたい男、とくに口を出さずに、「それは楽しみだね」と受け流し*]
(261) 2018/11/04(Sun) 12時半頃