─自室─
[窓辺に敷いたラグの上に毛布を巻いて包まって。途中誰かに会ったろうか。瞳は見えぬとも頬が濡れていれば、泣いていたのだとわかっただろう。
イルマへ…勢いは2000年の歴史の前には何の意味もなかったようだよ。ディーンへ…グロリアをよろしくね。
等と視界を遮って、真っ暗な頭の中で頓珍漢な辞世の句を浮かべて、ぐしぐし。
そんな時でもやっぱり口許は夕暮れに浮かぶ月のようにぷかぷかと。今ばかりは自虐の笑みではあったけども。]
あー…バカバカバカ…。
もう、駄目だ。今猛烈に、この260年の吸血鬼人生をリセットしたい気持ちしかない…ヒッヒ…。
[少なくともしばらくはグロリアどころか他の誰にも会う気が起きないものだから、きっと昼になっても、夜のとばりが降りても外に出ることはなかったでしょう。なので明日は少し静かな一日が訪れることでしょう。]
(257) 2016/12/07(Wed) 02時頃