[>>244自分で自分を指差しながら。訊くのは母親の、“強く慈悲深い愛”を語る言葉]つまりは。オレを産んでくれた母さんに愛を持て、と。そーいうことか。でもなー……。なんか話に聞いたところでは、母であるより女であったとか……。[父と、産みの母が別れた経緯には、単純ならぬ愛憎劇が絡んでいるらしい、のだが、あまり白昼堂々とする話にも思えず、口をつぐむ。そして考える。そもそも、母の愛が強いなら、自分のような子供など――、あるいは自分よりもっと不幸になってしまった子供などできようはずもないのに、どうして]―――え? ああ、着いたのか。分かった、ちょっと確認してくるな。隣は洗濯室だから不用意に……あ。
(256) 2012/09/25(Tue) 02時頃