― 病室 ―[扉の向こうから声>>254が聞こえる。聞き慣れない響きに驚いたように動きが止まる。菖蒲色の着物の袖から覗く手が、一度きゅっと握られて深呼吸ひとつの間の後、扉を引いた。視線の先に見えるサミュエルが此方を見ずとも一礼して] お邪魔します。[と、一言声掛けてから中へと入る。] もう起き上がれるんだね。 退院も、間近かな。[寝台の足元までゆけば、足を止めて、ゆると首を傾げた。]
(255) helmut 2014/06/08(Sun) 14時頃