[ひっそりと、ホールへと現れた少女。その第一声で、彼女もまた千秋たちと同じであることがわかった。>>246]
こんにちは。僕は千秋。教えてあげたいのは山々……やけど、僕らも教えられるようなこと、持っとらんのです。知らんうちに、ここにおったんは、同じやから。
[そう答えながら、千秋は一つ、引っかかりを覚えた。共に行動していたはずの須藤達と出会う前に>>216 日向はここを探索して、出られないことを確かめていたらしい。>>@35
彼女は結構な時間、単独行動をしていた。一人で歩くことに頓着せず須藤たちを呼びに行こうとしたのも、その経験があったからだろう。千秋には、そこが、引っかかる。]
日向さん、少し、聞きたいんやけど。
出口を探してるとき、誰かに会わんかったですか? 五十嵐さんでも、そこにいる女の子でもええし、洗面所の床で寝とった僕でもええ。
[この問いに、日向はなんと答えるだろう。
もしも、誰とも会わずに出口を確かめたのだと答えたならば、千秋は「誰かに連れて来られた」という可能性を完全に捨てるだろう。文字通り、千秋たちは「突然ここに現れた」のだ。]
(255) 2015/02/02(Mon) 22時半頃