[ そう、言った後だったか。 ぱちん、と音>>241がして何やら坊ちゃんが、 少年と言い交わす>>248のを男は伸び一つして、見ていた。 言っている内容は聞き取れずとも、少年は怒り模様の様子。 ( 喧嘩が起こったら面倒くせぇなあ。 ) 内心でぼやきながら、 下衣のポケットへと組んだ両手を突っ込み、 はたと思い至って内から何時かアオイに渡したものと同じ、 赤い包み紙>>175を取り出し、中身を出して口へ放り込む。 ――がり、と噛み砕いた薄く黄味がかった飴玉は、 …包み紙と同じ赤い果実の味がした。 そうして、気付く。 何時の間にか影のような少女>>250が一人、 喧騒の中に混じり込んでいたことに。]
(251) 2015/02/02(Mon) 22時半頃