[セシルと話しながら、ふと自らの懐に入れっぱなしだった梟と鈴蘭を象った白銀のレリーフを思い出す。
それは紛れもない治安警察の一員の証。
たとえ警備の厳重な王宮であろうとも入る事ができるだろう]
………。
[しばし、一人で思案に耽る。
ゴドウィンが紋章を勝手に押し付けただけなので、実質この紋章は「まだ」ただの飾りでしかない。
だが、この紋章を王宮に見せて自分が治安警察の一員だと名乗ればそれだけであの男に借りを作ってしまう。
それだけは嫌だった。
だが、王宮を閉鎖する衛兵を説得するにはそれが一番最適なようにも思われ魅力的に感じられた]
……なんとかして入れないものか…。
[...はセシルと話しながら、衛兵たちを横目で見てそう呟いた。
もし、セシルがこの事をヤニクに聞いていて紋章を使うようにそれとなく...に促せば、彼は少し不審に思いながらも紋章を使って王宮へとセシルを連れて入るだろう]
(249) 2011/11/11(Fri) 01時半頃