………あ、れ?
[奇跡?それを起こしたいのかと尋ねようとして、耳を劈く遠吠えに、ぐらりと視界が歪んで、正常な思考は掻き消えた。>>232
どうすればいいんだっけ?何してたっけ?
“私”は声を掛けるも言葉が通じず、身体の主導権も握れなくなって焦れったい。ここで死なれては困るのに。]
俺は、人間──
[累に対して牙を剥く蛇をひっつかんで、自分の腕を噛ませる。痛い。痛いとわかるのに。何故こんなことを?
累から攻撃を与えられたとしても、防ぐ手立てがわからない。無防備状態だ。それでも構わない。
ずっとずっと、その間考えている。
これまでの全てに。何故自分は、ここにいるんだろう?人間として生きてきたんだろう。
どうして人間でいたいなんて思っていたんだろう?
俺は“悪魔”なのに。
その結論に至った時、俺の身体はどのくらいの被害を受けていただろう。どんなに酷くても清々しい。生まれ変わったような気分だったと思う。くつくつ、くつくつと笑う。
──さようなら、“人間だと思いこもうとしていた”俺。
嗚呼、アイスクリーム食べたい。*]
(249) 2016/06/19(Sun) 21時半頃