[驚愕の表情を浮かべているだろう相手に向かって、わずかに微笑む。]
まぁ、今はただの悪質な噂だろうけどね。
でもこの有事下において、あれだけ厳重に警護されている王宮にいるはずの王子が殺されるなんて、王宮はどれだけ甘いんだろうとは思わないかい?ましてや将来を有望視されている国民の期待を一心に背負った王子だ。
王への不信感は募り、国民の士気は下がるだろうね。
緘口令が敷かれるかもしれない。
そこで、明日になれば、街に噂が流れるといいなって思っててね。王子の守護騎士が実はアウストのスパイで、王子が殺害されてしまった、っていう噂がね。
何、最初はほんの小さな噂を流すだけでいい。
そのうち尾ひれがたくさんついて、人々の心の不安を掻き立てるだろう。街の人へも顔が広い君だ、少し簡単すぎるかもしれないけれど。
[頼めるかい?そういって首を傾げて、反応を待つ。傍から見ていれば、さながら子どもに犬の散歩でも頼むかのような気軽さだ。]
(246) 2011/11/13(Sun) 18時半頃